殊能先生が
memoでお書きになっているように、この1ヶ月『はねるのトびら』で続いた「TSUKAJI 24」には、正直どこまでひっぱんねん、コントは一体どないなっとんのやと半ば辟易しつつ、なんとなく見続けてしまってはいた。
ドランクドラゴンの塚地武雅を標的に、
いとうあいこを使って仕掛ける恋愛ドッキリなんだが、それをレギュラーメンバーが試写室を舞台に本人を迎えてネタバラシをしつつ、ツッコミを入れながら時間を追って見ていくという構成。流行の「
24」をモチーフとしているので「TSUKAJI 24」。
ドッキリの内容は、とあるきっかけで二人きりでデートをして、いい雰囲気で盛り上がった帰り道、写真週刊誌にフライデーされてしまい、いとうの所属事務所に呼び出され、2度と会わないようお灸をすえられるというもの。
それが4週続いたのだが、こうして内容を要約してみるとドッキリというにはあまりにも他愛ないというか、事務所に呼ばれてそのスジの人達に脅されたりとかのテレビ的な仕掛けもなく、どうオチをつけるのかと見守っていた最終回、それは突然起こった。
それまで塚地のみを追ってきたカメラ視点が、約束の場所で待つ塚地から事務所で説教されるいとうあいこに切り替えられたのである。
待ち続ける塚地の場面にマネージャーに足止めされていらつくいとうのシーンがインサートされる。
これ、何の絵なんだ?
ドッキリではありえない、だましてるはずの側のストーリーが映し出されているのよ。
で、そのままドラマっぽい作りになって、いとうあいこは塚地からの最後のメールを写しだした携帯を握りしめたまま泣き崩れるなどして、ジ・エンド。
これにはちょっとヤラれたと思ったなあ。
殊能先生が書かれている『「24」というよりも、「トゥルーマン・ショー」』という指摘に深く納得。
最後、試写会場が主演男優賞・女優賞の授賞式場となり、塚地の「全員ボケか」のツッコミも正当なほど、それまでのドッキリを「作品」として皆で扱うサマはちょっと見物だと思ったが、やはり最後の最後は素の塚地いじり(ドッキリに引っかかった者をいたぶる)になってしまっていたのは残念。
そうそう最後、台本が出てきてドッキリ内のセリフが中に印刷してあったのが映し出されたとき、さらに虚実のゆらぎ(「え、ドッキリなの? ドラマだったの?」)が視聴者側に提示されたかと緊張したが、単に手の込んだ仕掛け(後からセリフを書き起こした台本)であったことも、まあそんなものかな。
そうしたことひっくるめて、試みとしては面白い部分もあったけど、やはり引っ張り過ぎだと思うし、もっとコントがちゃんと見たいねえ、という意見に変わりは無いかな。